従業員は知っている

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従業員は知っている

経営理念を見れば、非の打ち所がない。

ところが会社経営が上手く行っていない。特に人の問題を常に抱えている。

会社がそんな状態なら、経営者は心の入れ替えが必要でしょう。

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一見すると社員思いだが、その実態は・・・

多くの経営者は従業員を

使ってやっている

と思っています。

雇ってやっている

と思っています。

能書きの立派な会社ほど怪しい!

経営理念や企業理念に

社員の幸福を追求する

などとうたっていてもそうです。

むしろ意外に、立派な理念を掲げている会社の方がそういう感覚で人を使っていることが多いように見受けられます。

このような会社では、朝礼などで、経営理念などを唱和させていたり、折に触れて理念について言及したりしています。

素晴らしい経営理念を掲げて、それを唱和すること自体は、良いことだと思うのですが、それが欺瞞ぎまんが目的だったら問題です。

唱和させることには、自己暗示の効果があります。言霊ことだまという言葉もあるくらい、言葉には力があるのです。言霊ことだまという言葉は知らないとしても、その効果は期待してのことでしょう。

従業員が理念を暗唱できるようになり、期待しているような雰囲気になってきたとしても、その理念が真実でなければ、従業員は単に「演じている」と考えたほうが良いです。

言葉には、言霊には、力がありますが、嘘を心の底まで信じ込ませる効果はありません

看破している経営者の本音

従業員は知っているのです。

経営者の嘘は看破かんぱしているのです。

申し分ない理念を掲げ、それが従業員にもしっかり定着させているのにもかかわらず、離職率が高い場合は、経営者が自らをかえりみる場面です。自分の言葉に嘘はないか、従業員はどう受け止めているのか。

従業員は、経営者が思っているほど、経営者を近しく感じてはいません。

何人かを具体的に思い浮かべると、そんなはずはないと思うかもしれません。

しかしながら、彼らから見た距離感は、経営者自身が感じている親近感の倍以上はあるものと思った方が良いのです。

「親しい」、「近しい」と思っているのは自惚うぬぼれである場合がほとんどです。

従業員にとって良いことを言ったとしても嘘である場合は看過されます。

「早く帰れ」「長時間働いても効率が悪いぞ」などと言って、帰宅を促したところで、サービス残業や長時間労働又は単に夜遅くまで会社に居ることを望まれていると感じていれば、従業員はお世辞で「ありがとうございます」とは言うでしょうが、実際には行動に移しません。

経営者が嘘をついている限り、欺瞞を行っている限り、言葉は従業員の心には届かないのです。

それは言葉に心がこもっていないからです。言葉がうつろなのです。

これは危機的な状況だと理解してください。

或る意味、会社がコントロール不能であるということだからです。

社員の心に言葉が届かない場合の処方箋

望まれる経営者自身の意識改革

では、どうすれば良いのか。

まずは自らの意識改革です。

冒頭にお話したような「従業員を使ってやっている」「雇ってやっている」という感覚から、「働いてもらっている」「助けてもらっている」という意識に転換することです。

そうすると諸々の行動もこれまでと違った価値観でできるようになって来て、それが従業員へのメッセージとなり届いて行きます。

時間はかかるでしょうが、徐々に、従業員の心に、経営者の心が、そして言葉が届くようになって行きます。

経営者の唯一自由になるアセットを変えれば良いだけ!

言葉で言うと簡単に感じられるかもしれませんが、相当に危機感を覚え、本気にならないと、自身の本質は変えられません。

しかしながら、経営者にとって、自分自身というのは、最も変化させることが容易な経営資源アセットなので、取り組むのは容易です。

意識改革は難業ですが、他人の意識改革を図るよりは、はるかに容易なことに違いありません。

経営者が真剣になればいいだけの話だからです。


症状:
離職率が高い。従業員が言うことを聞かない。会社の雰囲気が悪い。
処方箋:
意識改革。
「働いてもらっている」「助けてもらっている」という意識を持つ。
経営者が真剣になる