社長、あなたの常識は社会の非常識です!|フラットな組織の有効性

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非常識
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気遣いとは名ばかりで・・・

若手への驚くべき訓示

ある会社の社長さんが、若手の営業マンらに「気遣い」について驚くことを言っていました。

その言葉たるや

自分がお客さんの会社を訪れる時は、訪問先の駐車場スペースをおもんばかって、近くのコンビニに停めたものだ。

という内容なのです。

その営業マンは、後日、社長の影響なのか定かではないのですが、顧客への電話で、大っぴらに、

近くのコンビニに車を停めて行きます。

と言っていました。

当たり前の話ですが、コンビニエンスストア(以下コンビニ)は駐車場ではありません。迷惑駐車はコンビニ経営者にとって、頭の痛い問題のはずで、現実に、

迷惑駐車お断り

といった迷惑駐車を直接的に禁止する表現であったり、

駐車は20分以内でお願いします。

といった制限時間を設けることで暗に迷惑駐車の予防をしたり、

当店に用事の無い方の駐車はご遠慮願います。

といった駐車場の目的外使用を禁止する掲示などが見られます。

気遣いとは名ばかりの迷惑行為

当然、この社長さんの言う気遣いは、他に対する迷惑行為であって、本来の意味での気遣いではありません。

些細ささいな例と思われるかもしれませんが、一定の価値観に基づく行為なので、このような事は随所に現れますし、それが些細な問題だけとは限らないのです。

それにコンビニの経営者からしてみれば、決して些細ささいな問題ではありません。場合によっては死活問題にもなりかねません。

体育会系文化の弊害

この社長さんにとって不幸なことは、可笑おかしなことを言ったり、おこなったりしてもそれを注意・指摘してくれる人が居ないことです。

上意下達じょういかたつで、反論を認めない社風です。そのような風土では、仮に可笑しな行動を取ったとしても、指摘・注意されることが少なくなります。それは組織の上に行けば行くほど、自分が常軌を逸した時、軌道修正することが難しくなるということです。従って非常識な行動が習い性となって行きます。習慣は第二の天性なのです。その結果、組織の上に行けば行くほど、可笑しな人が溢れているという状況を招いてしまいます。

社内の常識は社会の非常識

今日こんにちの日本企業で社内の常識が社会の非常識となったのは、所謂「体育会系文化」を奨励してきたことが大きな原因ではないでしょうか。

狂気の組織

組織がイエスマンで固まったらおしま

経営者が「イエスマン」を求め、それで周りを固めたら、その会社は仕舞しまだと考えています。

それは、これまで説明したことがその理由です。組織が、会社が、否応無く上の方から狂ってくるからです。そもそも感性がまともであれば、イエスマンで周りを固めることは、あまり居心地の良いものではありませんから、その時点で、既に狂気の兆しがあるのかもしれません。

想像してみてください。仮に経営者が立派な人で、その経営者に心酔して付いてきている人がたくさんいるとします。でも、それが周りの全員になりえますか。

もしそうなっているとすれば、何らかの欺瞞ぎまんがあると考えた方が良いのではないでしょうか。若しくは狂気集団です。

健全なる組織では健全なる対話が発生する

普通ならば、

そうですね。

おっしゃるとおりです。

といった答えばかりが返ってきたら、相手が話をきちんと聞いていないか、理解していないか、馬鹿にしているかを疑います。

時として

それは何故ですか。

そこには違和感を覚えます。説明してください。

と云った説明の要請があったり、

それは違うのではないでしょうか。

と言った答えが返ってくることを想定或いは期待するでしょう。

そこで、経営者自身は、自分の思い違いを発見したり、勘違いに気付いたりすることができるのです。

そして更に敷衍ふえんすることで、相手にきちんと真意を理解してもらうことができるのです。

イエスマンで周りが固まってしまうと、儀礼的に、反問や質問があるかもしれませんが、根の部分が異なるので効果はかなり限定的になります。そして、自身の真意を相手にきちんと理解してもらえるようなコミュニケーションは難しいでしょう。表面的には円滑に歯車が回って物事が進んでいるように見えますが、歯の噛み合わせは虚弱です。

理想的な組織構成員は共同経営者たるパートナー

京セラの稲森和夫氏は以下のように書いています。

京セラが急速に発展し、規模が拡大するなかで、私は、ともに苦楽を分かち合い、経営の重責を担う共同経営者がほしい、と心の底から願うようになった。

ここで言われている共同経営者という言葉に注目したいのですが、まず、意味するところで、求めているのは、イエスマンではないと言えるでしょう。

望むべくもないことではあるのですが、組織全体が「ともに苦楽を分かち合い、経営の重責を担う」という精神であることが理想だと思います。それには、階層化を進めるのではなく、フラットな組織が望ましいのです。

メンバーの負担軽減のための階層化

しかしながら、これを推し進めると、組織メンバーの資質や能力により、過剰な負担になってしまうこともあるでしょう。その為の階層化は必要となります。

従って、階層化の必要性は、「組織メンバーを支配するため」というところにあるわけではなく、「組織メンバーが負い切れない負担を減免するため」というところにあるのです。

少しでも共同経営者マインドのメンバーを増やすためには、自由闊達じゆうかったつで本質を追求していくという企業風土を醸成じょうせいすることが求められます。

その為には、関与するメンバーで、使命ミッション或いは仕事を中心とした輪ができることが理想なのです。階層化は次善の策です。

コメント

  1. 山本香澄 より:

    家族経営の非常識的な経営者の元、働いてきましたが本日付けで退職します。
    勿論、有給もなし。

    この記事を拝見して勇気づけられました。
    ありがとうございます☺

    • 福永晶 より:

      書きこみを有難うございます。

      本日付で退社とのこと。
      お疲れ様でした。

      有給休暇の消化が無いとのことですが、
      「法テラス」に相談してみてはいかがでしょうか。
      http://www.houterasu.or.jp/
      法テラスは、国が設立した法的トラブルの総合案内所です。
      とあります。

      半年以上働けば、有給休暇の法定日数が最低限は存在します。
      退職後で収入が少なければ無ければ、法テラスで無料相談できるかもしれません。
      まずは問い合わせしてみてはいかがでしょうか。
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