英語を使えるようになるのに必要な本当のこと

鸚鵡

英語なんて言葉だから所詮コミュニケーションの手段だよ。学問では無い。

とは高校時代の或る数学教師の言葉です。

いささか乱暴な気もしますが、一面の真理があるでしょう。

つまり、英語と数学の受け持つ役割の違いです。

端的に言えば、数学が相手に伝える意味内容そのものであるのに対し、英語は伝達する手段であって、意味内容そのものではないという点です。

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話せるようになりたいなら英語の勉強だけではダメだ

英語の理解力、つまり読解力や聴解力を高めたいのなら英語以外の学習も大切です。

語学力を高めさえすれば読めるようになるという誤解【受信篇】

どういうことかと言いますと、英語で読みたいこと、聞きたいことについての知識も同時に習得することが英語での理解力を高めるのです。

勿論これは、英語に限った話ではありません。外国語一般についても言えますし、実は母国語についても言えることです。

簡単に言えば、精通している分野については理解しやすいということです。このことは間違いなく常日頃から母国語で体験していることではないでしょうか。言われてみればそうだと思われるのではないですか。

基礎になる知識が有ってこそ理解は進む

例えばテレビを見ていても、番組に興味があり知識がある内容であれば、聞き取りも簡単、理解も容易に進みます。一方、馴染みのない内容では珍紛漢紛ちんぷんかんぷんのことすらあるでしょう。

例えばあなたが野球好きなら、野球の解説は比較的容易に理解できるかもしれません。ところが、サッカーの解説ではいささか理解しにくいところがあるといったことが起こるかもしれません。そして、あなたとは逆に感じる人も存在するでしょう。

表裏ひょうり一体

外国語学習と云うとただひたすらその外国語を学習することを想像する人が多いと思いますが、殊に理解力を高めようと思えば、その意味内容についての知識も不可欠、外国語能力と意味内容に対する理解力は表裏一体なのです。

高校時代の或る英語教師は、

長文読解の得点を上げたかったら新聞を読みなさい。

内容を知っている英文は読みやすい。極端な話、知っている内容なら英文を読まなくても答えられる。

語学力と表現された内容に対する理解力についての説明です。

余談ですが、これを受けて生徒の一人が、

試験で出た長文が事実と異なる内容、つまり嘘が書かれていたら間違ってしまうのではないでしょうか。

こう質問しました。教師の答えによると、これまで嘘が書かれた長文で出題されたことは無いとこのことでした。※

※ それでも例えば、赤塚不二夫の漫画「天才バカボン」の主題歌にある「西から上ったお日様が」のように、ギャグ漫画ならではの表現のように修辞的レトリックに書かれる可能性もありますから、出題文はきちんと読んだ方が良いでしょうね。それでも知らないものを読むよりも精通分野なら読破時間はかなり短縮されるはずです。

ここまでは読んだり聞いたりという外国語能力の受動的なところ、謂わば受信的要素についてお話ししました。続いては、話したり書いたりと云った外国語能力の能動的なところ、謂わば発信的要素についてお話しします。

語学力を高めさえすれば話せるようになるという誤解【発信篇】

英語だと思ったことが言えない。英語だと思ったこと書けない。

外国語で思うように表現できないことは、外国語学習者がしばしば経験することです。

確かに多くの学習者にとって母国語である日本語の能力と外国語である英語の能力には大きな乖離があることでしょう。でも実際のところ、英語力の問題だけでしょうかと問います。

ここまで読み進めてくれた賢明なる読者諸氏には、これから何を言わんとしているのか既に察しがついているかもしれません。

語学力では補えない能力

思ったように表現できないのは、果たして英語力だけの問題でしょうか。

日本語でも思ったように表現できないことはしばしば生じることではないでしょうか。うまく説明できなくてもどかしい気持ちになった経験は誰しもがあるものではないでしょうか。

ところで、一般に語学力と呼ぶものは、何をどう言えば良いかを教えてはくれません。

語学力の外延

厳密に言えば、話したい意味内容が既に定まっており、それを発する言葉として作り出す能力が一般に考えられている語学力ではないでしょうか。

つまり相手に何か伝える際の論理ロジックの構成力は一般には、語学力とは呼ばれていないものではないでしょうか。

少々回りくどいお話しをしているのは、一つにはここで一般に言う語学力を認識し、それを高めることは当然とした上で、もう一つの高めなければならない要素を指摘したかったからです。

論理の構成力

要するに論理の構成力と表現したものです。これは語彙の選択はもとより相手に意味内容を伝える上で必要な要素を取捨選択し的確な論理に組み上げる能力を指します。的確と表現した中には、受け手の知識、理解力などへの認識、判断なども含みます。

論理の構成力と表現した能力は、外国語である英語だけではなく、母国語と共通するものです。

地頭を鍛える

実も蓋も無い言い方をすれば、常日頃から頭を使い訓練することで頭脳を鍛える、結果として地頭を良くすることです。

語学力だけを取り出して、チーチーパッパやっていても本当の意味で英語が話せるようにはならないということ。そして、チーチーパッパだけでは鸚鵡おうむに少し毛が生えた程度にしかならないということです。

語学力とは別にある表現力の要素を浮き彫りにし、意識して外国語能力を底上げする一助になればと思います。


§ 地頭の鍛え方については、¶ 違和感は推論の取っ掛かり|思考訓練を継続し頭を鍛えようで触れています。