人を育てられる組織とは|四匹の鯛とその生簀

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ご無沙汰しておりました。

更新頻度をもっと上げようと思っていたのにもかかわらず、今年は大晦日になって最初の更新という体たらくです。

来年はもっと更新したいところです。

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四匹の鯛の話

或る複数店舗の飲食店経営者からお聞きした話です。

初めにお目にかかった時は、自分より年上だと思っていました。

ところが年齢は36歳とのこと。実際、53歳と先日言われたとの話。もし53歳だったら私より年上になってしまいますと、実年齢は一回り以上年下なのでそんな話をされました。

それだけの風采があるわけなのですが、長年、事業を営んできたからではないかとのことでした。

実のところ、年齢は単に年を重ねただけの人には大きな要素となりますが、人と異なった道を歩んできた人々にとってはそれほど大きな要素ではないのかもしれませんね。

逆説的に言えば、年相応とは、あまり大したことをしてこなかった証かもしれません。何か人と違ったことを経験してくれば、そのことによって実年齢から乖離していくものかもしれないからです。

さて本題に入ります。

四匹の鯛|人材を育てる過程

人を育てるに当たっての「四匹の鯛」のお話を伺った後、ウェブ検索してみました。すると三匹の鯛の話がいろいろと出てきました。

四匹の鯛は三匹の鯛の話から独自に展開したお話ではないかと思われます。

  1. 褒められたい
  2. 認められたい
  3. 任されたい
  4. 有り難い

この四つがそれぞれの鯛なのですが、先ずこの順番が大切だそうです。

一匹目の鯛「褒められたい」

人は先ず、褒められることで自信を付けます。仕事に限らず、人は物事を成し遂げる上で、動機付けと自信が必要不可欠だからです。

おっかなびっくり取り組んでいたことに、適切な動機付けのもとで自信が付けば、認められたいと感じ始めます。

二匹目の鯛「認められたい」

自信が実力に裏付けられたものであれば、認められたいという感情は正当なものです。

実力がないのに認められたいと思うのは、認められるための努力に繋がれば、これもまた正当なものです。

実力も無いのに、認められたい。努力もしないのに、認められたい。これは空虚なプライドを持った場合に起こる現象です。

認められたいという気持ちが、正当であるためには、適切な動機付けが必要で、そこに導く手段が「褒める」ことなのです。

従って、人を育てるに当たって大切なことは、先ず褒めることだと言えます。

三匹目の鯛「任されたい」

人は褒められ、認められたと感じると、適切な動機付けがあれば、任されたいと思うようになります。

褒められ、認められたからこそ、任されたいと思うことができるようになるのです。

自信がなかったり、認められていないと感じていたとしたら、任されたとしても所謂、無茶振りと感じてしまうでしょう。

過去記事「管理職になった理由と役割|押し出された一番人気」で触れたような「仕方なく選ばれた管理者」であれば、褒められたり、認められたと感じていなければ、任されたことに心許無さを覚える筈だからです。

一匹目の鯛、二匹目の鯛を経て、三匹目の鯛に辿り着いたのであれば、きちんと自信に裏打ちされた「任されたい」だと言えるのです。

四匹目の鯛「有り難い」

こうして三匹の鯛を経ると、最後は有り難いとなって帰ってきます。

つまり順を追って大切に育ててきた人材は、掛け替えのない人財となります。それこそが有り難いになって帰ってくると表現した所以ゆえんです。

こうして人は育ち、組織は豊かになります。そのように育てられた人財は、人材を人財に育てます。

生簀|人材を育てられる組織経営

さて四匹の鯛の話を聞いて、得心が行ったから実践しようと思っても簡単には実現しません。

それはそもそも鯛に相応しい生簀になっていないからです。

件の経営者の生簀いけすは・・・

四匹の鯛のお話をしてくださった経営者は、長い年月をかけて四匹の鯛に合った生簀を作り上げているのですね。各店舗の店長が社長の分身となり、四匹の鯛の文化を継承していくのです。

小さな組織であれば、トップの決意で徐々に浸透させていくことができるかもしれませんが、或る程度の人数の組織であれば、なかなか変わって行かないものです。

怒声どせい蔓延はびこっているような組織であれば、従業員の再教育や入換えが必要になってきます。

前回記事「恐怖政治を敷く管理職は即刻辞めさせなさい!」でお伝えしたような有無を言わせず、従わせるようなやり方が支配的だとしたら、辞めてもらうしか方法はありません。

ちょっと言葉が乱暴に響いたでしょうか。

根深い文化的亀裂

過去記事「人間らしい職場と猿山|理解不能な反応のメカニズムを探る」を読んでいただきたいのですが、行動様式の違いという根深い文化的亀裂の問題が潜んでいるのです。

端的に言うと猿山の住人は人間の組織には馴染なじまないのです。

変れない者は生き残れない

しばしば企業が株式公開するときに、半数は人が入れ替わるなどと言われるのは、ゲームのルールが変わるからです。

ルールが変わった時、順応できなければ、振り落とされていきます。

法令遵守の重要性が高まったのに、従来通り営業成績にしか興味が持てなければ、当然に居場所がなくなるのです。

人材育成でも同様です。「四匹の鯛」で人材育成しようというのに、「俺には俺のやり方が」と現状を維持し続けようとするのであれば、早晩邪魔者になるのは明白です。

変れない者は長生きできないのです。

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