技術だけではコピーは書けない|コピーライティングの初歩

コピーを考える
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本質的だが情報は氷山の一角に過ぎない

モスバーガーが好きです。

そんなこともあって、モスバーガーのCMが目に留まったのですが、とても良い出来だと思いました。

CM「モスは食べにくい?」

以下がYouTubeに掲載された件のCM「モスは食べにくい?」です。

先ずはご覧ください。

[リンク跡]

残念ながらCMが新しいものに変わってしまった様です。リンクしていた動画は見られなくなりましたが、以下の文章でCMの内容は十分にご理解いただけます。当記事の趣旨は十分伝わると思いますので続けてお読みください。[追記 平成29年6月7日]

2017/03/28 に公開
★モスバーガー公式YouTubeチャンネル★
「モスは食べにくい?」
それは、こぼれるほどの野菜や、
あふれるソースで、たっぷりの幸せを味わってほしいから。
日本のハンバーガーをもっとおいしく。

期間限定で、テリヤキソースに濃厚でまろやかなクリームチーズを組み合わせた「クリームチーズテリヤキバーガー」が発売中!

エッセンス満載の作り

モスは食べにくいと否定的な言葉から始めて、その理由がこぼれるほどの野菜とあふれるソースを、たっぷりの幸せと印象付けています。

男女を問わず、子供から大人そして年配の方まで幅広い年齢層が美味しそうに食べています。そして食べているのは屋内外の様々な場面です。ピクニックを彷彿とされるところや仕事での昼食などなど。

映像では、期間限定のクリームチーズテリヤキバーガーの紹介が主ですが、それだけではなく定番のモスバーガーが具をたっぷり挟み込んではみ出す場面も臨場感に溢れ、美味しそうに収められています。これをみればモスバーガーを食べたくなること請け合いです。

結びには、「日本のハンバーガーをもっとおいしく」と、一昨年の米発祥のハンバーガーチェーン「シェイクシャック」や今年の米国の高級バーガー「UMAMI BURGER」の日本上陸などを意識し、さりげなく国産をアピールし差別化を図っているのでしょう。

強い愛情

このCMを企画、構想したコピーライターもモスバーガーが好きなんだろうなと想像できます。謂わば、こぼれんばかりにエッセンスを盛り込んだCMの作りに、モスバーガーへの強い愛情を感じるのです。

ところで、対象に対する愛情は、コピーライティングする上で大きな力とはなりますが、勿論、それだけでは十分ではありません。

コピーライティングに必要なこと

当たり前のことですが、コピーライティングに際して、伝えるべき要素エッセンスが判明していなければ、コピーは書けません。

モスバーガーの「モスは食べにくい?」を構想するに当たっては、¶ エッセンス満載の作りでお伝えした要素は網羅されている必要があります。

コピーは複数考えられる

尤も、モスバーガーのコピーの可能性は、一つではありませんし、仮に一つの可能性しか無い場合でも、モスバーガーについてより深く知った上で、その氷山の一角くらいを拾い出して、コピーは作成されることになるでしょう。

要するに、[コピーに含めたこと]≪[事前調査で知ったこと]となり、遥かに知っている部分の方が大きいということです。

[コピーに含めたこと]≪[事前調査で知ったこと]

小霜和也さんは、コピーを書く上でもっとも大切なことは、担当商品のファンになることであると、著書「『ここらで広告コピーの本当の話をします。』宣伝会議」の中で謳っています。

そして同書の中で説明に幾つか例示されたものの中から一つを採り挙げて引用しますと、

僕はトヨタのエコロジー関連の仕事を依頼されたとき、メルセデス・ベンツのMLからトヨタのハリアー・ハイブリッドに乗り換えました。ハイブリッドの力を知らずに企画はできないと思ったからです。やはり乗ってみるとよくわかる。想像とは全く違います。ハリアー・ハイブリッドは加速力と燃費のバランスが抜群で、いまでも車の購入を考えている知人に「あれはいいよ!」と勧めます。

コピーライティングの技術に裏付けられていれば、十二分に使い知ることで、必然的に優れたコピーは出来上がり、[コピーに含めたこと]≪[事前調査で知ったこと]を実現すると言えるでしょう。

内容的には繰り返しになりますが、時系列を踏まえて言い換えると、事前調査を十分に行うことで、コピーの対象を熟知することとなり、コピーを完成させれば、結果として知ったことの一部しか活用されなかったということになるということです。

対象を知ることの大切さ

小霜さんの例示から、ハリアー・ハイブリッドに乗り換えたお話しを選んだのは、これだけの高額商品ですら対象を知るために投資してコピーを書いているということをお伝えしたかったからです。

近頃では、実際には知らない商品でも、ウェブ情報などから恰も知っているかのようにコピーを書けるなんて豪語している輩も居るようですが、本来のコピーの姿とは異なります。

手八丁口八丁だけではない

コピーライターは手八丁口八丁で書いているだけではありません。小霜さんがハリアー・ハイブリッドに乗り換えたように、先のモスバーガーのCMの作成者はモスバーガーを随分と召し上がったことは間違いないでしょう。そしてハンバーガー市場だけでなく、競合する代替市場も含め、包括的に事前調査、事前研究したに違いありません。

コピーに含まれる情報は、採収したものの氷山の一角です。