ラーメン二郎仙台店のツイートが
ご存知ない方のためにラーメン二郎について少し説明しましょう。ラーメン二郎と言えばそのフリークをジロリアンと呼ぶくらい一部のラーメンファン、ラーメンマニアと言った方が適切なくらいの支持があるラーメン店です。
本店は東京の慶応義塾大学の三田キャンパス近く。味は濃く、量はとてつもなく多い。ニンニクマシマシヤサイダブルと言った呪文のようなコールの存在も有名。
因みにいつも麺類を食する時には標準を大盛とし、ラーメン店の
カロリーが高そうなので、ハイキングの前日にしばしば食べに行った思い出があります。友人は夕食を二郎で食べると朝ご飯が要らないと、ハイキング前の早起きに備え重宝していたようです。
お客様は神様では無い
物議を醸しているというツイートを初めに見ておきましょう。
【暗い話題】大は多いので初めての方は小でと再三お願いしたのにいいから大全部マシ。金払えば何してもいいと言う勘違いした態度。半分以上残した後笑いながら食えるわけねーよ。とクソ野郎三連コンボのお客様がいらしたので帰り際に人生初の「2度と来ないでくださいね〜♡」が自然と口から出てて驚く
— ラーメン二郎仙台店 (@jiro_sendai1023) 2017年3月5日
このツイートについて賛否が分かれています。
リツイートを見ると「お客様は神様です」的な価値観も依然として見られるとか。
お店も顧客も対等
今回はツイートそのものについてというより、「お客様は神様では無いこと」の説明と「お客としての在り方」についてお話しします。そして最後に改めてラーメン二郎について触れるつもりです。
忘れてはならないことは、お店もお客も対等だということです。
中には自分たちと顧客を対等と考えないで営業しているお店もあるでしょうけれども、特に対等でないと規定している店でなければ対等です。
お金を払っているから対等では無く上位に居るのだ。
そう主張するかもしれません。
こう言った主張、つまり店員を顧客より一段下に置く考え方は、極端な拝金主義、商業主義に毒されていると言って良いでしょう。
お店には、あなたからお金をいただかないという選択肢が常にあります。
その好例は、ディスコのドレスコードではないでしょうか。
当店に相応しくない服装のお客様はご遠慮いただいております。
このような言葉と共に門前払いするでしょう。
表立ってドレスコードの存在を謳っていない店舗でも、既に酔っている者、暴力行為を起こしそうな者、薬物使用が疑われる者、態度が高圧的な者などは、服装に関係なくドレスコードを理由に入店を拒否される場合がある。
(wiki)
つまり、店が客を選ぶのです。出入り禁止という言葉もあります。
一見客お断り
店舗に限ったものではありませんが、店長や経営者は自分の哲学に合った客を選ぶ自由があります。
その究極の形が「一見客お断り」でしょう。
招かれざる客
顧客の存在は、他の顧客に影響します。そう言うと
他の客なんか気にならない。自分だけで楽しめるよ。
そんな声が聞こえてきそうです。
残念ながら、多くの場合、そう言う方は、そういうお客は、招かれざる客に該当します。
他のお客様に気を遣っていただきたいのに、気付きの必要な場面で気付かない人だと判断されるのです。
おもてなしと気遣いは対
店から受けるおもてなしとお客側の最低限の気遣いは
おもてなしとサービスの違いは ¶ 失われつつある「おもてなし」の心|顧客中心主義が元凶 をご参照ください。
洒落 た小料理屋
こじんまりした小料理屋に入った。小さいながら店内は賑わっている。みんな楽しそうだ。
あなたは案内された席に座る。酒も旨ければ
急に煙草を吸いたくなった。店内を見まわすと喫煙している者はいない。しかし店内には禁煙の張り紙は無い。
あなたは店主に煙草を吸っても構わないか尋ねた。
無粋
店によってはこの質問を発した時点で
先客はみな煙草を
先述の「他のお客様に気を遣っていただきたいのに、気付きの必要な場面で気付かない人だと判断される」が意味するところです。
みなの食事を妨げる要因になり得るというところで、控えるのが当然の配慮です。
察せよ
ところで「なり得る」と表現したところが重要です。「なる」ではありません。なるか、ならないかの議論は必要ありません。なるか、ならないかの議論は不毛で、そんな議論を持ち込む人を無粋と呼びます。無粋な人はお店に入れたくないのです。
大切なことは察すること。察することのできないあなたの様な人を紛れ込ませたくないからこその一見客お断りなのです。
法律は関係ない
この際は法律的にどうかなんて全く関係がありません。喫煙の権利はあるはずだと主張したところで、無粋な客はお断りです。
金儲け主義の薄利多売と異なり、おもてなしのある上質な店では客を選びますし、客を選ぶ方法もあるのです。
訴えて喫煙が認められたとしても、あなたに次回来店は有り得ません。門前払いだからです。
手心
画一的なサービスを行っている店舗ばかりに出入りしていると気付く機会が少なくなります。
例えばFCチェーンの飲食店などでは、誰がどうやってもそうそう提供されるものに差はできないでしょう。セントラルキッチンで均一なサービスを提供されるようにシステム化されているからです。手心を加える余地はありません。
一方で、おもてなしがある店舗だと提供物は必ずしも均一にはならないのです。
店側の裁量
例えば、二枚に下ろした魚は、中骨の有る部分と無い部分に分かれます。どちらが提供されるかは、お店次第です。※
※ 均一を保つために三枚に下ろすかもしれませんが・・・個人的には鯖の味噌煮などでは中骨が付いていて欲しいです。(追記 平成30年7月15日)
目利きして仕入れた魚だって均一ではありません。良い個体もあれば、品質が一段落ちる個体もあります。さばいてみて板前が納得する品質に無い場合、もう一尾さばいてみるか、まあ好いかとなるかはお店次第です。
最終的にどれを出すかは板前の
また来て欲しいと思う客には良い物を出すでしょうし、もう来ないで欲しいと思う客には良い物は出さない。当たり前の心理です。
手心を加えられる客になれ
「〇〇さんはお世話になった人だから失礼の無いように」とオーナーから言われた顧客には、良いものが出されるでしょう。
「客は何を言ってもいいんだ」とか「客は何をしてもいいんだ」と思っている人に手心を加えたサービスが提供されることは無いし、おもてなしを受けることも無いのです。
手心を加えられる客になるということはお店に認められる客になるということです。つまり、お店のことを顧客と対等の存在として
店の格式によって求められる気配りは変わってきます。どのような店にも共通して必要なことは、繰り返しにはなりますが、店を慮ることです。
ラーメン二郎のおもてなし
ラーメン二郎のトッピングは、ラーメン二郎のおもてなしです。そう理解できれば、あなたが店を慮ってすべきことは何か。
残さず食べられる範囲内で注文しトッピングの呪文を唱えることです。
ニンニクマシマシヤサイトリプル。