ロイヤリティある組織の強さ
組織に対する
会社に対する
昨今、
会社でいえば、雇用者は従業員等の被雇用者のロイヤリティを大切なものと考えなくなってきており、それを受けてか、被雇用者もロイヤリティを持って仕事に
給料分の仕事
彼らの論旨は、被雇用者は仕事をするために雇われているのであり、業務遂行に当たり、ロイヤリティの有無は問題にならず、(或は、問題にすべきでなく)賃金を払った分だけ働いてもらわなければ困るということなのでしょう。
恐らくすべての人が真のプロフェッショナルであれば、彼らの持つ能力で、業務は駄目出しされない80%~100%の間の品質で遂行されるに違いありません。雇用契約であれ、業務委託であれ、請負契約であれ、業務自体は遂行されなければならないからです。
尚、本来は給料分の仕事など存在しないことについては、¶ 会社に隷属する自分を解き放て|仕事との付き合い方 を参照してください。
能力が足りていない者の存在
しかしながら、全ての人が真にプロフェッショナルではありません。現実に能力を出し切っても80%にも到達できない人々が働いている現場はたくさんあります。
経営的視点からすれば、その場合、人の入れ替えを検討すれば良いということになるのかもしれません。しかしながら、人の入れ替えは必ずしも可能ではありません。それは雇用市場の状況、例えば売り手市場であったり、組織内部の問題、例えば人員の入れ替えが他の被雇用者に大きな負の影響を与えるなど、
能力の足りていない者の戦力化
制約条件の中で最高のパフォーマンスを追求するという経営的視点では、能力を出し切っても80%に到達できない人も戦力化することが必要になってきます。
多くの企業はそれが分かっているために、能力的には足りていない従業員にも
ロイヤリティの醸成
この過程そのものも会社へのロイヤリティを醸成します。つまり、教育される、啓発されることで、自分が大切にされている実感を持つことに繋がります。勿論、待遇その他の仕組みも整っていなければ、従業員は会社を信用しませんから、それらが整っていてのことです。
パフォーマンスの向上
自分は使い捨ての存在でない、自分の愛社精神が報われるという安心感が、最終的には能力を超えたパフォーマンスを生み出しうるのです。組織として踏ん張りが利くか利かないかの境目もここにあると言えます。
組織の一体感と強化
ロイヤリティのない相互に利用し合う関係で有れば、割に合わない状況が続けば、会社や組織は捨てられます。逆に愛社精神が根に有り、相互に信頼があれば、会社や組織が苦境でも踏みとどまってくれるかもしれません。会社との一体感があれば多くの場合、踏みとどまるでしょう。
ロイヤリティのない会社、組織では一体感は生まれません。
旧来の日本的経営の強さは、終身雇用に裏付けられたこの一体感にあったのではないでしょうか。