ラーメン店経営で見た一面|意外な落とし穴

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人に任せる
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他人ひとに任せるリスク

或る個人経営のラーメン店でのお話です。

地元に根付いたお店で美味しいお店で、時間帯によっては行列も出来るらしいです。御多分に洩れず、このお店でも人材の問題がありました。

長くは働いてくれない

個人のラーメン店で働く人の多くは、独立志望者かほんの腰掛けが多いようです。

家族親戚などでなければ、長期にわたって勤務したいというような人は少ないようなのです。

一定の年数、3年くらいでしょうか・・・が経過すると独立若しくは他の店に移ってしまうのが一般的です。

独立する場合はそもそも志していたからということで理解できると思うのですが、他の店に移ってしまうということには説明が必要かもしれません。

ラーメン店などでは、大抵は3年も勤めれば、大概たいがいの仕事は覚えてしまうことが出来るのです。従って、新たな技術・内容を覚えようと思えば、他店に移るしかないということです。そういうこともあって離職は多くなります。

このようなしばしば人が抜ける状況があるということは、労働力の問題、人材の問題を常に抱えているということを意味します。

そのような背景の中、多少なりとも人が定着した安定期が長く続き、仕事を任せ続けた際に、人が辞めてしまった場合です。それが今回の題目の「意外な落とし穴」です。

店が傾く切っ掛けにもなり得る意外な落とし穴

人にやらせていた仕事を、改めて自分が行うということは思いの外きついことす。そしてそれが店が上手く行かなくなるきっかけになりうることなのです。

継続が難しい

どういうことかと申しますと、最近ではラーメン店のレシピなどが売られたりしているように、比較的簡単に店舗経営のノウハウが手に入ります。それが可能なのはラーメン店の仕事はことほか大変だということです。

ノウハウは分かっていても同じようには経営は出来はすまいという意味合いが少なからずあると思います。お手並み拝見といったニュアンスがあるでしょう。

力仕事が多く、労働時間も長い、そして接客業でもあり、神経を使います。他にも大変な仕事はもっとあるという声もあるかもしれませんが、ここでは大変な仕事であるとご理解ください。

そこで人にやらせていた仕事を改めて自分が行うということがきついことだということが理解できます。

「愛の貧乏脱出大作戦」

古いテレビ番組で愛の貧乏脱出大作戦というものがありました。

客足が遠のき、大きな借金を抱える店(おもに飲食店、旅館)の店主に、一念発起してやり直す場を番組が提供。番組スタッフらが店の立て直しの方針や作戦を考え、その道の“達人”(有名店の店主など)の下で店主らに修業をさせ、達人から認められた者には、番組制作費で店舗の外装・内装をリフォーム、名実ともに客を呼び寄せられる店へと仕上げていく。

(出典:wiki

店主は達人の指導の下できちんとした仕事を習い、テレビ放映当初は満員御礼になります。

その半年から一年後に、抜き打ちチェックとして番組司会のみのもんたさんが、改めてお店を訪ねると大きく繁盛している場合もありますが、堕落していることが少なからずありました。

繁盛のノウハウを知っても、実践し続けることの難しさが垣間見えるでしょう。

初めは自分で全てこなしていたのだが・・・

創業当初は一人で全ての仕事をこなしていたオーナー店主も、一度人に仕事を任せて楽を覚えると、仕事がきついだけにまた自分でやるのは容易ではないのです。ここに堕落の余地があるのです。手抜きが始まったり、営業時間が不規則になったりなどです。

ここの店では、オーナー店主は店員に

俺は一日7時間半しか働かないぞ!

と宣言していました。或る店員さんがこれを受け、

オーナーは働きたくない病にかかっているよ。

と言っていましたが、単なる怠慢だけでは片づけられない何かを感じるのです。

幸いにして、この店主は、心を入れ、再び仕事に打ち込んだようなのですが、人が抜けたことが、お店経営の分岐点になるようなところもあるのではないでしょうか。

人に任せるにしても常に自分が肩代わりできる心積もりは不可欠

ラーメン店経営では、店舗運営を人に任せられる体制作りが完全に出来ないならば、自分自身が常に全てを行える気力・体力を常に維持する必要があるのではないかと思うのです。