ラーメン店のスープの入った大きな寸胴を見たことがありますか。
通常のラーメン店では、その大寸胴1口に仕込むので十分なのですが、毎日大寸胴3口から4口に仕込むラーメン店でのお話です。
所謂、行列の途切れないラーメン店です。
月間売上の平均が1千万円を超えるという繁盛店の秘密
¶ 人材流出の一つの理由|と或るラーメン店でのこと の続編です。
繁盛の秘密
月当りの売上平均が1千万円を超えるというラーメン店。
土日ですと開店から閉店までお客様が途切れることはありません。
想像を絶する人気です。
命令ではなく依頼
働いている人たちは、命令口調で言うことを禁じられています。
皆が楽しそうに働いており、お客様が帰るときには、手を止め皆が挨拶します。
ここでは挨拶は大切な職務の一つとして位置付けられています。
店内は比較的フラットで、店長以下、仕事はやらせるものではなく、お願いするものという認識で働いているのです。
満面の笑みでの挨拶
食後に「ごちそうさまでした。」と言って立ち上がり、会計をしようとすると、店員さん達は、
ありがとうございました。
と一斉に、顔をこちらに向けます。
その瞬間は正に圧巻です。
常にそうなるとは限らないでしょうが、まれにでもそのような状況が実現する店舗は他にはありますまい。
人材確保に一役
そんなお店なのですが、やはり飲食業、人材の確保がやはり鍵のようです。
職人文化では、たくさんの人が確保できない。そんな考えから、人に対する扱い方を変えているのでしょう。
学生や主婦から中高年のアルバイト、そして社員までもがフラットに仕事をするのです。
フラットで柔らかい文化
ラーメン店は体力勝負なところがあり、若い人でない場合は、肉体労働を続けてきた人でないと、体力的にきつい仕事ではあります。
特にこの店では行列が途切れないこともあり、大寸胴で3つから4つ仕込むのが普通なのです。普通のラーメン店では寸胴が1つであることを考えれば、その盛況ぶりは容易に想像できるのではないでしょうか。店の設計からして、4つ、5つの寸胴を同時に置くことができるようコンロが設置されています。
体力面では厳しい一方で、精神面では相当恵まれた仕事環境だと言えるでしょう。一般のラーメン店よりも継続勤務出来る可能性は遥かに高くなっているのです。
極端な職人文化から脱却し、フラットで柔らかい文化に転換したことが、成功要因の1つだと考えられます。