最初の就職先は一生を決める|高い意識とスキルを共に

社員教育

初めが肝心

と或る雑誌の編集長から以前に聞いたお話です。

人は一般に新卒でどのような企業に勤めるかで、一生が決まってしまう。

能力が高く、意識が高い人間に囲まれて仕事を覚えるのと、能力が低く、意識も低い人間の下で仕事を覚えるのとでは、その後の将来は大きく変わってくる。

確かにそのとおりだと思います。

ゴルフを上達しようとする時のことを考えてみれば、よく分かるのではないでしょうか。

教え魔

最初が肝心です。中途半端な素人に教わると、変な癖がついてしまい、後々に苦労することになります。最初はきちんとしたレッスンプロに習うのが適切なやり方です。

大切な基礎の部分にきちんと時間を掛けて十分に習得し、それから実践に移れば応用も利きます。仮にフォームにブレが生じたとしても、そのブレを解消する術を身に付けることができるでしょう。基本を押さえているからです。

ところが、所謂、教え魔に教えられることは、相手が相当な実力者※でも無い限り、教え魔の水準から見た断片的な知識を、中途半端に植え付けられることになります。だから、せいぜいお世辞で付き合うくらいが常套じょうとうということになるのです。※実力者:ここでは当然にゴルフの実力です。

冒頭の話に戻ります。

仕事の良い習慣・態度・知識・技術を身に付けたい

能力の高い人材が豊富な企業であれば、総じて仕事の出来る人が多いことになります。その為、一般に、先輩に後輩の指導を任せたとしても、相応に導かれて行きます。

更に、他の先輩方も、それなりに後輩に気を配るものなのです。一般に仕事の出来る人とは、そのようなものです。職務分掌に書かれた内容だけが、仕事ではないからです。

一方で、能力も意識も低い人々の集まりだと、先のゴルフの例に喩えると、新人を中途半端な素人や教え魔に委ねる形になります。

そのような会社では、干渉こそすれ、後輩を気遣い、引き上げてあげようという配慮、或いは、能力に欠けることがほとんどなわけです。

もちろん、現実的には、完全に前者であったり、完全に後者であったりすることは、少ないでしょう。両者の間で、どちらか寄りであるといったところが実際だと思います。それは、どのような企業にも様々な人間が居るからです。

仕事への取組みの具体例

具体例を挙げれば、仮に表計算ソフトで、何かデータ処理を行うとしましょう。指示されたら直ぐに作業に入ることが仕事だと習慣付いている人がいます。

一方、予め処理の過程などを検討し、どのような流れでデータを操作し、どのような形で成果物アウトプットが完成するのが効率且つ生産的か判断してから作業に入ることが習慣付いている人がいます。

両者は雲泥の差です。

また後者では、成果物まで到達する過程において、他の業務で利用できるであろう、データ素材などの副産物を意識して作業することも可能です。また、作成中の成果物も、他の人の再利用、作業の引継ぎなどを意識することが出来ます。

これらは、常日頃から心掛けている人から見れば、当然のことなのですが、何らかの気付きがないと、漫然と目先の作業だけに集中して、本人は自身の生産性の低さに気付かない、ということになります。

教育の必要

単に目先の作業に慣れただけで、自分は仕事が出来ると勘違いしてしまいます。仕事の奥行きを教える者がいないことの危険です。

これらは新卒で学ぶべきことであり、その為の導きや教えがあることが望ましいです。一旦、漫然と目先の仕事にかかずらうような習慣付いてしまうと、なかなか変われないものだと思います。これは様々な企業の様々な従業員などを見てきての印象です。

結論を申し上げます。


[採用する企業へ]

新卒を採用するに当たっては、相応の覚悟を持って臨む必要があります。


[リクルート諸君へ]

最初の就職先は一生を決めてしまう程、大切なものです。心して臨んでください。仕事に対する高い意識を持つことが大切で、それは早ければ早い方が良いです。遅くなってからでは難しいです。

また、本文後半に書いたような漫然とではない、効率や生産性を意識した仕事術を身に付けてください。

万一、おかしな会社に入ってしまったならば、変な癖、変な習慣が身に付いてしまう前に、辞めてしまった方が良いです。早ければ早いほど、やり直しが利きます。第二新卒という言葉もあるように、現在なら転職も問題なくできることでしょう。易きに流れてはいけません。

当たり前のことと感じられることの水準が、高度であればあるほど将来が期待できます。現状に甘んじている上司、先輩に倣ってはなりません。


新卒や第二新卒の諸君は、こちらの記事も併せて読んでおくと参考になるでしょう。

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