組織の効率を決める要因は多様
組織には基本的に目的があります。会社においては、業務の遂行であるなどです。そして組織の目的を遂行するに当たり効率が問題になります。
組織の効率を左右する因子は様々です。対象を会社に絞って例を挙げますと受け取る報酬や報酬を決定する仕組み、個々の組織構成員の役割分担、その決定方法、役割を担う各々の資質、
信頼及び相互扶助に基づいた組織文化の重要性
そして無視できないのが組織文化です。理想的には組織の目的に忠実で、組織構成員はお互いに助け合い、お互いに信頼しあうことを良しとする文化です。
当たり前のことを何故今更言うのかと感じられる方は、幸いにして良い組織文化をきちんと理解しておられるのだと思います。しかしながら、仕事に忠実にやっていさえすればいいと考える人が少なくありません。会社組織は仲良し集団ではないのだから、人間関係は関係ないと声高に唱える声を時として耳にします。
このような主張をする人にとっては、
今回は特に組織におけるコミュニケーションについてお話しします。
組織における2種類のコミュニケーション
組織のコミュニケーションは公式なものと非公式なものが存在します。組織がきちんと整備されていないと両者が区別されないのですが、両者はきちんと使い分けられるべきです。
かつてある会社で、ある取締役が監査役に、
昼食をとりながら雑談と一緒に伝えたとしても、それは報告したことにはならないんだよ。
と注意されていたことがありました。これは正に公式なコミュニケーションと非公式なコミュニケーションの使い分けについての叱責です。この取締役は、非公式に伝えたことに加えて、正式な報告を行う必要が有ったのです。
インフォーマルコミュニケーションの重要性
辞令、業務連絡、業務命令、通達など、
質も問われるインフォーマルコミュニケーション
未だ公式に発表できないが、ある程度、周知しておきたい情報なども非公式なコミュニケーションの出番です。非公式なコミュニケーションのパイプの太さは必ずしも職位職掌に比例しません。時として、会社社長や部門長が裸の王様だったりするのはその例です。組織の長で有りながら、非公式な情報が入ってくるパイプが細いのです。もちろんゴシップが集まるだけでは意味がありませんから、非公式なコミュニケーションの質を高める努力も必要です。
組織が円滑に機能するためには、公式なコミュニケーションよりもむしろ非公式なコミュニケーションの方が重要なくらいです。非公式なコミュニケーションは、機械や情報端末でなく人間であるが故の付加価値の源泉でもあり得ます。
インフォーマルコミュニケーション充実の難しさ
公式なコミュニケーションは、文字通り公式なので、公に仕組みの導入などによって比較的整備しやすいですが、非公式なコミュニケーションは、非公式なだけに、仕組みを作って整備完了という訳には行かないのです。
組織として非公式なコミュニケーションを強化するために出来ることは、非公式なコミュニケーションが発生又は存続、強化されるように
常日頃からの心掛けによる醸成が鍵
非公式なコミュニケーションを活性化するには、それを奨励するような組織文化、企業文化の醸成を必要とします。
間違っても冒頭のように、「仕事さえしていればいい」とか「人間関係は関係ない」などとは言わないこと、そして言わせないことです。
最近は、同僚と職場で連れ立って昼食に出かけることが以前よりは少なくなっている印象を受けます。一緒に食事をするというのは人間関係を構築する上で効果があるので、残念なことだと思います。経済的な理由などで、昼食に出かけられないということもあるようですが、時には連れ立って同僚や上司などど食事に出かけることをお勧めします。
今回は、組織文化の構成要素であるコミュニケーションについて敷衍しました。次回以降、組織文化について更にお話していくつもりです。