経営者自身が変わらないと情報は逃げていく|情報はいただくもの

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逃げて行く情報
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態度次第で情報は逃げも集まりもする

二つの挿話

幼少の頃、私は近所のおばさん達からよくお菓子をもらう子供でした。

ご近所さんから「あきらちゃんにお菓子をあげると物凄く嬉しそうな顔をするのが可愛くて・・・」とよく言われたものだよ。

と母からしばしば聞かされました。

一方で、

どんなお土産を持って行っても必ず文句を言う。

といわれていた知り合いが居ました。手土産一つ選ぶのも煩わしいので、敬遠される傾向にありました。

何故こんな話をしたのかというと、この二つの話は、情報収集に関してもよく当てはまるからです。

情報収集に於ける態度・姿勢

仮に誰かが何か知らせてくれたと想像してみてください。あなたはいつもどんな対応をしていますか。常に歓迎していますか。伝えられた内容にケチを付けていませんか。忙しいだとか、後にしてくれだとか言って、邪険にしていませんか。

感謝

人に何かを伝えるということは、それなりに手間や労力がかかります。それにもかかわらず、何か伝えようとしてくれたことに感謝はありますか。

逃げて行く情報

相手がある事柄をあなたに伝えるか、伝えないかは、紙一重といっても過言ではありません。ちょっと気が変わって「まあ、いいか」と思ってしまえば、伝えようと思っていた事柄もあなたに届きません。ですから、時間がない、手が離せないといった状況であっても、まずは感謝の気持ちを伝え、後で時間を取るから、詳しく聞かせて欲しいと伝えた方が良いのです。

仮に二人の間に上下関係が有ったとしても同様です。部下が何かを伝えようとした場合、上司であるあなたは、今、お話ししたように振舞う必要があるのです。邪険にしても、部下は、自身の責任感や義務感または使命感から、改めて伝えようとするかもしれません。でももしかしたらもう伝えようとはしないかもしれません。

あなたにとって、物凄く重要な事柄であったとしても、部下はそれを認識していないかもしれません。伝える伝えないの最終的な判断は、この例で言えば、部下がすることだからです。場合によっては、へそを曲げて伝えることを拒むこともあるかもしれません。

不毛なべき論

上司であるあなたの立場からすれば、「伝えるべきだろう」と考えるかもしれません。情報収集の観点では、「すべきである」という「べき論」で推し進めると、情報の取りこぼしがとても多くなります。如何いかにに多くの情報を吸い上げるかが、今回のお話の論点なので、「べき論」に終始するのは不毛です。

お菓子の話に倣って情報を逃がさない

冒頭の「お菓子の話」で言えば、当時の私は、頂戴できるお菓子は何でも有難くいただいておりました。選り好みしていれば、くださる相手も、あげるたら喜ぶか否かをよく考えるようになります。そうなると実際には嬉しいお菓子でも、喜ばないかもしれないと判断され、いただけない場合が出てきます。また他にも何らかの判断で、頂けない場合が出てくることは容易に想像されるでしょう。

頂けなくなる典型の例が、「お菓子の話」の次の「手土産の話」です。選り好みが激しいので、面倒がられ敬遠されており、手土産を頂く機会そのものが少なくなります。

伝えようとしてくれたことに感謝

情報についても全く同じことが言えます。もたらされた情報は、仮に既知の事柄や陳腐な内容であったとしても、丁重に礼を言って然るべきです。それは、少なくとも、あなたが利する為に、情報をもたらそうとしてくれたわけで、その気持ちに対する感謝やねぎらいが必要だということなのです。感謝していることが伝われば、相手は次も何か情報をもたらしてあげようという気持ちになれることに説明はいらないでしょう。

ワンマン経営者に必要な自戒

一般にワンマンと呼ばれる経営者はこのあたりの感性が弱いと言えます。そもそも「ワンマンは下手な合議制には勝る」と考えているので、ワンマンそのものを否定するつもりはありません。

概してワンマンと言われる経営者は、相手に対し何らかの圧迫感プレッシャーを与えてしまいがちです。良いか悪いかは別として、このプレッシャーは情報収集の妨げになります。それはこのプレッシャーが、「伝えるか」、「伝えないか」の判断を「伝えない」の側に大きく寄せてしまうからです。

関係作り

従って、ワンマン経営者は、これを克服するコミュニケーション能力が求められます。何かあれば伝えたくなるような関係作り、雰囲気作りが大切です。

ワンマン経営者を一つの典型としてお話しました。これはあくまでも典型であり、これに当てはまる人は、必ずしもワンマン経営者とは限りません。ひょっとしたらあなたもこの典型に当てはまるかもしれないのです。

情報が集まる関係作りはあまねくすべての人に必要です。

情報は、心して掛からないと逃げていくということがご理解いただけたでしょうか。

今回のお話で、「情報を伝えてもらえる関係作り」、「伝えようと思ってもらえる雰囲気作り、応対」について考える一助となれば幸いです。