日々の小さな積み重ねで人は育つ
朝の風景
或る会社では朝礼前の10分間で店内清掃を行い、その後、朝礼をやる段取りになっていました。
朝礼は、円陣を組み、1名がちょっとしたテキストを読んだ後、感想等を皆に述べ伝え、それに続いてもう1名が感想等を皆に伝えていました。
その中で、或る時、若き主任がトイレ清掃について話しました。
いつも気が付くと自分がトイレ掃除をするようにしているのですが、時々、店長がトイレを掃除してくれているのを見かけます。
そんな時は、申し訳ない気持ちになるので、皆も気付いたらトイレを清掃しましょう。
といったような内容だったと思います。
朝の清掃
朝の清掃については、各々が思い思いに掃除箇所を見つけ、取りかかります。
日によって、メンバー数や構成が異なるので、日々、自分のやる場所を探す形なのです。
そんな中、トイレに回る人がいないことがあったのでしょう。
この主任の話を聞いて、ふたつの意味で嬉しくなりました。
ひとつは、店長にトイレ掃除をしてもらって申し訳ないという気持ちになっていること。
もうひとつは、店長が自らトイレ掃除に回っているということです。
そもそもトイレ掃除を特別視するつもりはありません。
個人的には、或る社長から
そうは言っても、一般的には敬遠されがちな掃除箇所であるという認識は、皆さんもお持ちのことかと思います。
それを
背中を見せた店長
一方で、店長の行動についても嬉しく思います。
それは、誰かにやらせるということではなく自分が率先してトイレ掃除に回っているということです。
職位を権力と捉える向きには分かりにくいかもしれないです。
なぜトイレ掃除を人にやらせないのだろうかと思うかもしれません。
仕事を中心に置きメンバーは皆フラット
これは、仕事を核とし、メンバーがそれを取り囲んでいるという発想で組織を考えてみると理解できると思います。
または、業務はチームで行い、それも適切に権限と責任を分散させ、自発性を引き出すのだ、そんな風に考えて見ると更に分かりやすいかもしれません。
朝の清掃のアプローチ一つでメンバーとの関係性が変わる
たとえ掃除分担であっても、
各々が掃除箇所を見つける過程で、掃除箇所としてトイレが漏れてしまわないよう
日々の小さな積み重ねで意識は変わってくるものだからです。
また、店長は、トイレ掃除は敬遠したいから人に押し付けたのだと見られることも良くありません。
ここでは「背中を見せて人を育てる」ということが望ましい場面だと思います。
そして正に店長は背中を見せました。
背中を見て人が育った
そして、主任からの一言が出たことで、店長が率先してトイレ掃除を行っていたことは既に十分に報われたと考えて良いでしょう。
主任は、店長の背中を見て育ったわけです。
もちろん、店長にも主任にも、淡々とトイレ掃除を続けていく態度、姿勢は、今後も保持して欲しいものだと思います。