と或る元飲食店経営者の発言です。
仕事が上手く回っていれば恐怖政治でも好いんだよ!
想像するに多くの方が、違和感を覚えつつも是認してしまうのではないでしょうか。「まあ、そりゃそうだわな」と云った具合に。
ところがそれは完全に誤りであるということを示すのが今回の主題です。
仕事が上手く回っている
元飲食店経営者のお話ですから、仕事が上手く回っているとは、お店の営業が滞りなく行われ、利益が上がっているということでしょう。
それならば何の問題も無いと思ってしまうかもしれません。
仕事の質
ところが仕事の質が問題なのです。
分り易い例を挙げましょう。
戦績の評価
仮にあなたが戦争に赴く大将(或いは将軍でも!?)だったとして、戦争(或いは
仕事が上手く回っているとは多くの場合、戦争(或いは戦)に勝ったということを意味しているに過ぎません。
戦争に勝てば評価されて当然。
そう考える気持ちは理解できます。ところが問題は勝つか負けるかだけでは無いのです。
例えば、戦力の10%を失った勝利と戦力の40%を失った勝利との価値の違いはいかがでしょうか。
同じ条件ならば、10%を失った勝利の方が価値が高いのは明白です。
お伝えしたいことは、仕事が上手く回っているが意味することが、戦争に勝つしか意味していないことです。
更に言うと、より良い成果が望まれ、また可能であるにもかかわらず。最低限の成果しか上げられない。これが恐怖政治ということです。
仕事は上手く回っていない
仕事が上手く回るとはどういうことでしょうか。
仕事が上手く回るとは!?
ここまでのお話の流れでお伝えしますと、任された状況下で最適な成果が上げられるということです。
勝つだけでは駄目なのです。
経営の問題
ここで広く経営の問題にぶち当たります。所与の条件下で最適な解を導く。
要するに、恐怖政治下では一見、目的に適ったように見えても最適解では無いということです。
では何故、恐怖政治下では最適解とならないのでしょうか。
過去記事 ¶ 蔓延するやらされ感を払拭する教育法|仕事をしてはいけない で触れたことでもあるのですが、
気分良く自発的に人様のお手伝いをしたいと思うか、やらなければ文句を言われるからやっとくかと思うかの違いと表現したら分かり易いでしょうか。
当然ですが、飲食店であれば前者と後者では、店内の雰囲気などに大きな違いが見えます。
例えば明朗な溌剌とした雰囲気か、陰鬱な雰囲気かと言った違いです。
雰囲気は当然に再訪に大きな影響を与えます。何となく行きたい店か、何となく行きたくない店かと言った意味合いです。
恐怖政治では、店内に明朗で溌剌とした雰囲気を生み出すことは決してありませんから、経営的に最適解ではあり得ないし、恐怖政治を敷く管理者は基本的に恐怖政治でしか管理しえないのです。要するに無能なのですね。無能の極みと言ってもいいでしょう。
事業が継続できない!
無能の極みとまで言い切った理由は、恐怖政治を敷く管理者には求心力は望めませんし、恐怖政治から流布されるであろう風評、口コミは、求人を妨げるでしょう。そして現存する従業員も何時離反するか知れたものではないからです。
それでも目先の日銭を追いかけて恐怖政治を許し続けるのでしょうか。
一度たった風評。一度定着した印象は簡単には消えません。
悪しき風評や印象が定着する前に、恐怖政治は追放し、人員不足は休日で補うべきです。