政治的な難しいことをお話ししようと云うのではありません。
難しそうだからと理解する努力を拒んでいると、あなたにも魔の手が及びます。
関心を持ってもらうための動機付けも含んだ内容なので、きちんと関心を持った方々には、前半部分が蛇足と感じられるかもしれません。
国民は知っているのか
¶ 経営について考える では、かつて ¶ 従業員は知っている を掲載しています。それに準えて「国民は知っている」と掲題したいところですが、残念ながら従業員が社長を理解している※程には、国民は首相のことを理解していないようです。※※
※ 中小企業を念頭に置いていますが、大企業なら「会社のこと」と置き換えると分りやすいでしょう。会社のこととは社長を含めた従業員に意向を伝えてくる括りです。その場合、首相は、政府、或いは「国のこと」と括れば、並列に置いて違和感が無いでしょう。
※※ 自民党に対する依然として高い支持率を念頭に置いています。
中小企業では、社長が比較的に身近な存在で、大企業では、社長と言っても見たことがある程度の存在と言うこともあるでしょう。中小企業の社長よりも、大企業の社長の存在が、国に於ける首相の存在に近いかもしれません。
身近な存在でないからと言って、直接的にあなたに影響を及ぼす存在ですから、無関心ではいられなことです。
働き甲斐があるとか、働き甲斐が無いと云った価値判断は、直接従事している職場の影響が大きいですが、その職場の価値観を決定しているのは、時の経営者、社長だからです。
トップが変わると環境は変わる
言い換えれば、社長が代わることで、雰囲気が一変するということは少なくありません。少し古い例ですが、日産がルノーからゴーン社長を招聘した時のことを想像すると分かり易いかもしれません。
つまり、社長交代などで変わり映えしないことも多いのですが、劇的に変わることもあるということです。
トップの交代は環境を変える機会
大切なことはここにあります。劇的に変わることもあると言うことです。変わり映えしないことが多いということは結果論で有って、大きな変化が生み出される機会であることを重く見なければならないということです。
従って、社長交代など会社経営の変化には、常々アンテナを立てておく必要があります。勿論、変化が平穏無事に収まる場合には、その変化を頭に置くに留めれば良いことも多いでしょう。ところが、あなたにとっての急激な環境改悪があった場合、この限りではないでしょう。例えば従業員の賃金の一律カットなどです。
生活が脅かされる環境へは否 を
生活が脅かされる状況下では、事なかれ主義を決め込むことはできない相談でしょう。例えば、ギリギリで生活していたとすれば、労働組合で闘うことや、転職することなどまで含めた大きな対応を迫られることでしょう。
国政も同様です。今、日本は大きな転換期に差し掛かっています。
現政権は、格差を拡げ、言論の自由を奪い、国有財産の私物化をしています。
大敗ムードかと思いきや、10月22日に衆議院議員選挙を控え、依然として現与党の高い支持率が報道されていることに強い違和感や不安を覚えます。
国民は知っている
アベノミクス成功の嘘
しばしば成功していると吹聴されるアベノミクスですが、確かに株価は上がっています。ところが高度成長期や2000年頃のITバブル期のような高揚感はありません。
空虚な株価上昇
本質を端的に表現すれば、安倍政権は、長い時間を掛けて株価が上がってすら、国民全体が潤わない経済構造を構築してきたということになります。
ヤブ医者
手術をしてもずきずき痛んでいる患者を余所に、この手術に成功したのだから直っていると謳うヤブ医者に見えます。
テロ対策で作る監視社会
国に於ける生活が脅かされる状況とは、「組織的犯罪処罰法改正案」(「テロ等準備罪」法案)の施行です。
テロとの戦いという終わることのない非常事態宣言の名の下で、戦時下のような監視体制が始まります。「共謀罪」法案です。
ピンと来ないかもしれませんが、動きだしたら一瞬です。
施行されて穏やかだから大丈夫と云うことにはならないことに注意が必要です。裁量は国にあるからです。
裁量の恐怖
実際のテロリストに想定される行為があります。その行為者を取り締まれるようにすれば、一見するとテロリストは取り締まれるように思われます。ところが、問題は、その行為が、テロリスト以外の一般人も行い得るものならどうでしょうか。
更に言えば、実際には、異なった行為であるのに対し、テロ行為呼ばわりされるということです。
そうなると国は、テロリストと同様に一般人も自由に取り締まれることになります。しばしば言われる一般市民が処罰される可能性が有るとはこのことです。
しかも、判断が捜査当局なら、取り締まるも取り締まらないも、裁量は国にあると言うことです。こうなると、国に目を付けられたら恣意的に処罰される可能性が有りますから、一般に口を閉ざす傾向に、そして口を開いたとしても国に対しては異を唱えない傾向になります。言論の自由が失われるカラクリです。
裁量の存在が、権力を強くすることについては、過去記事 ¶ ルールを破るから自由が失われる でお話しています。
堤未果さんの本
アメリカでは、徐々に自由が失われています。そして日本は、確実にアメリカに追従しています。堤未果著「増補版 アメリカから<自由>が消える」(扶桑社新書)は是非、読みたい本です。巧妙な仕掛けによって、自由が失われて行く。後戻りするのは至難の業。このことが手に取るように分ります。
同じく堤未果著「政府はもう嘘をつけない」(角川新書)もお勧めです。アメリカが罹っている病、一握りが持つお金の力が、政治経済を支配している様が分りやすく説明されています。日本の病状はアメリカの少し手前と云ったところでしょうか。
臭いものには蓋
加計学園、森友学園の問題です。疚しいことがなければきちんと説明できる筈ではないでしょうか。
焦点は資質に当てよ
2006年の北米トヨタ自動車セクハラ訴訟事件について、或る税理士の先生から経営者を見るに当たってこう伺いました。
北米トヨタの社長が現実にセクハラを行ったかどうかは重要なのでは無い。資質として、セクハラを疑われるような状況に身を置くことが問題なのだ。
蓋し名言です。加計・森友問題に於ける安倍総理も同様でしょう。疑いをかけられる状況に身を置いた時点でアウトということです。
選挙の位置付け
少なくとも、国民に信を問うと言われている内容に、ここに述べた3つを含む以上、支持はできません。
安倍政権の続投を許すことは、
- アベノミクス(国民全体が潤わない社会構造)
- 「共謀罪」法案(必要な審議も行わず、数の力で、法案を採決)
- 加計・森友問題(居直り)
を是認したことになります。
断じて
危機感を覚え、今更ながらと思いながらも書きました。
今回の記事は、どちらかと言うと、直接、検索から辿りついてくれる読者層というよりも、あまり関心を持っていない人々に読んでもらった方が良い記事かもしれません。
あなたの思い当たる誰かにご紹介いただけたら幸いです。