転職の勧め|劣悪な職場環境は気付かぬうちにあなたを蝕む

落ち武者

職場に与える好影響も仕事のうち

職場には様々な文化があり、環境があります。

自分は自分(私は私)、他人ひと他人ひと

他人ひとに左右されることなくプロ意識を持って仕事に取り組むから大丈夫。

しばしば聞かれる文句だと思いますが、果たして本当に大丈夫でしょうか。

今回は、劣悪な職場環境で働き続けると知らず知らずのうちに、むしばまれて行ってしまうというお話です。

環境の力

或る作業現場を観察して得られた状況を例に採りましょう。

作業内容は、積み上げられた梱包された発泡スチロールの箱から品物を出して加工し、値付け棚に並べるというものです。

思いやりのない職場

はじめの環境例では、各々が思い思いに積み上げられた箱を選び出し、加工します。時として空箱があると、他の作業員に注意します。

箱は置きっぱなしにしないできちんと片付けてください。

当の本人がきちんと片付けているかと云えばそうでもなく、その直前に幾つもの箱を黙って片付けて上げていたりします。そこで言われたほうはらの中にくすぶるものがあり、いきどおりで手許てもとが狂ったりするのです。

作業現場ですから、急ぎや箱の置かれている順番などで、取り決め通りにできないことも多く、取り決めを守ることで、効率が落ちることも有るわけです。

他人に対して寛容でない一方で、自身はあまりにもだらしないといった人間が多いので、自ずと職場の雰囲気は険悪になって行きます。

こんな環境で、くだんの台詞「自分は自分(私は私)、他人は他人」が登場するわけです。

思いやりの有る職場

一方で、自分の箱を取り出すときに仲間の箱に気付いたら、声を掛ける職場もあります。

今日はこれる!?

それに対し、

あっ、要ります!

有難うございます。

この逆も起こります。気が付いた時にお互いが声を掛け合うのが当たり前の職場環境です。

無駄な荷の上げ下げが減るだけでなく、お互いの仕事を尊重し合っているので、気持ちよく仕事ができます。

初めの環境とは異なり、怒りで気持ちが高ぶって、手許てもとが狂うなんてことも起こりません。

言葉の掛け方も気を使い合い、お互いに不用意な軋轢あつれきが生じないようにしています。

効率は分かるとしても・・・

ふたつ目の環境の方が、効率が良く、お互いに気分良く働けることに異論はないと思います。

しかしながら、何故、プロ意識を持って黙々と仕事に打ち込んでいたとしても、自身が蝕まれてしまうというのでしょう。

仕事は作業だけではない

黙々と仕事に打ち込んでいるつもりでも、あなたが専心しているのは作業であって、仕事そのものではないからです。

例えば、思いやりのある職場環境では、仲間(同僚)の仕事の手伝いをしています。お互いの仕事を尊重し合うことで、お互いの士気モラールの向上や動機付けモチベーションが図られています。これらは、管理職であれば、より仕事の中での比重が高くなってくるものです。その一方で、従業員一般であったとしても仕事の一部として理解し、行わなければならないものです。

これらも含めて「自分は自分、他人は他人」を貫かれれば良いのですが、最低限の配慮やいたわりも返ってこない職場環境で、与え続けるのは至難の業でしょう。恐らくほとんど全ての人が刀折れ、矢尽きるのではないでしょうか。

落ち武者

気付いても伝えて上げないといったようなことを続けて行けば、伝えないことが当たり前に感じられるようになり、次第に気付かなくなって行ってしまうものです。

親切で、労りの気持ちを持ったあなたが、冷淡で、温かみのない人間に変わって行ってしまうのです。

そして相互扶助の意識が欠落して行ってしまいます。

作業ができるだけでは機械以下

作業のできることが優秀であると勘違いしている人をしばしば見かけますが、作業は仕事という大括りの中から見ればほんの一部に過ぎません。(参考記事 ¶ 若くて優秀な尖った人には見えないスキル|凡庸なようでいて非凡

相互扶助の意識の欠如が、作業効率を下げ、採算を悪化させます。そして離職率も高まるわけです。

作業ができるだけであれば、機械に劣ると言っても過言ではないでしょう。文句も言わず、黙々と単純作業を繰り返すことができるからです。

共に働く者に与える影響と関係性

仕事を考える上では、共に働く者に与える影響、関係性を無視してはならないのです。

もちろん、精力的に思いやりのある職場文化に変化、変容させていくことが理想ですし、その努力は尊いものです。

もし仮にあなたが思いやりのない職場に居て、環境を変えるだけの力が無いならば、否、環境を変えるべく努力をしないのなら、転職した方が身のためです。

現状打破の精神があなたを救う

どこに転職しても同じだと考えるならば、現状を、現職場環境に働きかけ、変えて行かなければなりません。変えて行く努力を続けることでも、あなたが蝕まれるのを防ぐことができます。

一旦、劣悪な仕事習慣に蝕まれてしまえば、その方が楽に感じる一方で、その時は既にあなた自身が使いものにならなくなっています。


職場環境の良し悪しを二分して解説した記事がもう一つあります。

過去記事 ¶ どうやるかが問題となる職場とどうやらせるかが問題になる職場

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