意見が聞き入れられないのには理由がある|同じ言葉でも受け入れられない訳

お断り

あなたが意見やアドバイスを相手に伝えた時、何故か聞き入れてもらえなかったことはないでしょうか。

この人は他人ひとの話を聞く気が無いのかしら!?

こんな風に感じたことはなかったでしょうか。

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言葉が聞き入れられないのには合理的理由がある

この時点であなたは既に論理的に飛躍があることに気付いているでしょうか。

あなたの意見やアドバイスが聞かれないとすれば、本来、

この人は私の話を聞く気が無いのかしら!?

となる筈のところです。

誤った状況認識

あなたが経験しているのは、あなたの話やアドバイスが聞かれないということだけの筈です。他の人の話まで聞かれないとどうして断じることができるのでしょうか。あなたは既に状況認識を誤っています。

他人の話を聞く気が無いのかしらが出発点になる場合と、私の話を聞く気が無いのかしらが出発点になる場合では、その後の展開が変わってきます。

他人の話を聞く気が無いという想定の下では、相手の個性パーソナリティによるところと判断されるやもしれません。一方で、私の話を聞く気が無いという想定の下では、何故聞く気が無いのかから始まって、どうしたら聞く気になるだろうかと展開し、話を聞いてもらう手立てを考えることになります。つまり、あなた自身が問題になります。

ここで、別に聞いてもらわなくても良いのだと居直ったりしないでください。ここで「この人は他人の話を聞く気が無いと断定する人」は、他でも同様の断定を行っていると考えられるからです。

思考の癖と言いますか、或る種の感情、ここでは、話が聞かれないから話し甲斐が無い、面白くない、詰まらない、或は不愉快だという感情が呼び起こされた時、論理的に飛躍し、自分に起きていることで物事を一般化してしまうということです。

言葉に信頼が無いと聞き流される

あなたは新卒で入社したばかりだとしましょう。以下の話はもちろん新卒でなくとも良く、便宜的に新卒としました。

或る気付きを得て社長に進言したとします。あなたの進言は、一笑に付されてしまいました。

これを見て「社長は他人の話を聞く気が無い」と結論付けることが正しくないことは、既に述べました。

事実、部長が同じ進言をして、社長は納得しその意見を採用しました。部長の話、つまり他人の話を聞きました。

これを見て

私の話を聞く気が無い

と決めつけることや

人を見て話を聞くか聞かないか決めている

と結論することも間違いなのです。

事実、社長はあなたの進言を一笑に付しはしましたが話は一応聞いているのです。あなたの話を聞かなかったのではなく、あなたが期待した通りの受け止め方をしなかったのです。これは日常的に起こることです。


話を先に進める前に、一つお話しします。

波止はとでの釣り

あなたは波止はとへ釣りに行ったとしましょう。あなたは何回か行ったことがある場所で、過去に大物を釣ったポイントに釣り糸を垂らしています。

この時、地元の人と思しき人が、釣り道具を持って現れました。そして、「あっちの方が釣れるよ」と別のポイントを指差しました。

あなたならどうしますか。

情報の受け止め

「あっち」の方が釣れるかもしれませんが、今釣っているところの方が釣れるかもしれません。既に過去に釣ったという実績もあるのです。「あっち」に賭けてみる手もありますが、確実性を取るならば、今の場所でしょう。ひょっとしたら、今釣っているポイントを空けさせるための作戦かもしれません。実際、判断に迷う場面です。

一方で、あなたの釣りの師匠が現れて、「あっち」の方が釣れるよと言ったらどうでしょうか。常日頃から師匠がこの波止に通い詰めているのは知っています。間違いなく「あっち」の方が釣れるでしょう。迷うことなく場所を移動するのではないでしょうか。


話を戻します。

波止での釣りでのやりとりが「あなたと社長」、「部長と社長」の話を象徴しています。波止での釣りの「あなた」を「社長」、「地元の人」を「あなた」、「部長」を「釣りの師匠」に置き換えて見てください。

同じ言葉、同じ意見でも受け止め方が変わるのです。

人を見て話を聞く!?

人を見て話を聞いているのではないかと思うかもしれませんが、話し手によって同じ言葉から伝わる情報に対する裏付けが変わっているのです。

一般に人を見て話を聞いているという場合、ここで指摘した同じ言葉からも伝わる情報に対する裏付けが変わってくることを内包していますから、人を見て話を聞いていると言っても良いでしょう。

敢えてここで紛らわしい表現を採ってまで、「人を見て話を聞いているわけではない」と表現して指摘したかったことは、特定の人、ここではあなたが話しているから話を受け入れないのではなく、十分な情報の裏付けがもたらされたと感じられないから受け入れられないのだという点です。

こうして見てくると、解決の糸口が掴めます。情報に十分な裏付けがあると感じさせればよいのです。

情報に裏付けがあると感じさせる

部長の言葉では、部長が持つこれまでの経験や実績で十分なケーススタディが裏付けとしてあると社長からは推定されているのでしょう。一方で、新卒のあなたにはそれが欠けているのです。それを補う何かを付与できれば良い訳です。

大切なことは、相手が話を聞かない、或は聞き入れない理由は、あなたの言葉に十分な裏付けがあると感じられないことです。実際のところ、裏付けの有無ではありません。

波止の釣りの話で言えば、地元の人と思しき人が、釣りの師匠より波止に精通した漁師かもしれません。それでも釣りをしていたあなたは、釣りの師匠の言葉なら「あっち」で釣りをすることに決められるのに、地元の人と思しき人の言葉では迷うのです。あなたは地元の漁師よりも釣りの師匠の言葉に裏付けがあると感じたのです。

あなたの言葉が受け入れられないのは、あなたの情報の裏付けの心許なさ、つまりあなたの言葉に対する信頼の低さです。